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エイリアン ディレクターズ・カット

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DVD版
監督:リドリー・スコット
出演:シガニー・ウィーバー、イアン・ホルム
評価:★★★★☆

親や友人からも薦められた不朽の名作「エイリアン」シリーズ。しかしホラーが苦手な僕はテレビで放映されてもチラチラ見る程度でありまして、長年鑑賞することを避けていました。ところが先日エイリアン4がテレビで放映されていてなかなかに面白かったので、勇気を出して1から見ることにしました。

時は未来。地球へ帰還の途につく宇宙貨物船ノストロモ号は、ある惑星から謎の救命信号を受け取る。現場へ向かった乗組員たちだが、そこにあったのは廃墟となった宇宙船と異生物の卵だった。突然卵から噴出した寄生生物に乗組員のケインが取り付かれる。彼を回収して取りあえず帰還の途につこうとする乗組員達だったが、ケインの体内ではすでに恐ろしいエイリアンが育ちつつあった…。

ホラー映画として身構えて見ていたんですが、実際のところそれほどホラーホラーしてなくて、非常に楽しめました。僕の苦手なビックリ演出も少なくてよかったです。
「エイリアン」の面白さは、エイリアン自体の怖さという点もありますが、何より世界観の作りこみが素晴らしいと思います。宇宙船の様子や食事風景、人間模様などでまるで本当に近未来でこんな世界があるだろうなぁという気にさせるところです。そこがまたエイリアンの恐怖を倍加させるわけですね。

またあのエイリアン特有の、ヌメヌメした金属のような美術効果。気持ち悪いけど綺麗、といったアンバランスな美しさを感じます。あの当時はゲームや漫画、他の映画なんかでもあのビジュアルはパク…多用されていたように思います。

そして主人公のリプリー、この頃からずっと主人公だったのか…。エイリアンの恐怖に怯えながらもしっかり行動していく彼女には魅力を感じます。お尻にも(笑)
あの時代、モシャモシャ頭の女性が流行ったのもわかる気がします。

救命艇ではさまってるエイリアンは何だか可愛らしかったです。


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エイリアンよりもこのオッサンが怖かった
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theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

ゲド戦記

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名古屋109シネマズ
監督:宮崎吾郎
声の出演:岡田准一、手嶌葵
評価:★☆☆☆☆

「役者なんかよりも監督や脚本家のほうがずっと頑張っている。映画の腕は全て監督にかかっているんだ。監督はもっと評価されてしかるべき」と「チーム・アメリカ」の監督はインタビューで言っていた。
脚本家がメガホン握った「ブレイド3」の出来は酷かった。
翔陽だって監督がいれば湘北に勝っていたかも知れない。
そして今回、監督という存在の重要さを改めて思い知った本作。

国王である父を刺して国を出奔したアレンは、獣に襲われているところを旅の魔術師ハイタカ(ゲド)に救われる。大賢人であるハイタカに従って旅をすることになったアレンは、荒んだ社会や奴隷達の境遇を目の当たりにする。そして彼はある町で奴隷狩りにあった少女を助ける。彼女の名はテルーといい、ハイタカの旧知の仲であるテナーの元で育てられた少女だった。テナーの元に身を寄せるハイタカとアレンだったが、その地にはハイタカと因縁のあるクモという魔術師がいた…。

宮崎駿。「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」などの不朽の名作から「ハウルの動く城」までを手がけた…などと説明するのもはばかられる天才だ。その天才を父に持った息子の心境とはどのようなものだったのだろうか。輝かしい功績と、良きにつけ悪しきにつけ作品を作るたびに世間からの評価に覆われていた父を見る目はどんなものだったのだろうか。尊敬?嫉妬?憎しみ?それとも軽蔑?どんな形であれ、人は芸術を表現する時に、その内なる感情がその芸術に対して発露するものだ、と僕は考えている。そして僕は宮崎吾郎という人が、その身の内からどんな情念を発するのか非常に興味があった。

結論から言うと、別に宮崎吾郎は父親を心底尊敬したり、憎んだりしているわけではなかった。彼は別に強い情動や、描きたくて描きたくてたまらない欲求に突き動かされてこの映画を作ったわけではないようだ。

彼の心境は、物語中アレンがぽろっとつぶやく言葉で代弁されているような気がする。「別に父親が憎いわけじゃないけど、自分の中で凶暴な自分がいて、何もかも壊したくなるんだ」
つまりは、まぁ、そんな感じ。誰にでもよくある、あんな気持ちだ。

中身に対しては特に感想はない。
演出がダサいとか、素人の棒読みが酷かったとか、命が大切とか闇がどうとか言葉だけの軽すぎる内容、など文句を並べればいくらでも出てくる。が、ゲド戦記はまず映画としての体裁を成していないので評価以前の問題だ。

ジブリという長年の経験を積んだ優秀なスタッフが周囲を固めてすらこの有様だ。アニメにおける監督というブレインの重要さを改めて思い知った。監督に明確なビジョンも技術もないのだから、これが当然の結果なのだ。ラーメン屋の息子がいきなりラーメン作ったって美味いわけがないように。
まして技術のみならず情念もないのであれば、もはや見るべきところもない。

まぁ宮崎吾郎氏にとって映画製作の未来はこれからなのだから
この失敗を糧にして、内なる心の炎を燃やし
次の作品にその情熱を打ち込んで欲しいものである。次があれば。


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別に「心の闇」なんて大層なものはありません。

theme : ゲド戦記
genre : 映画

ナイトウォッチ NOCHNOI DOZOR

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DVD版
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:コンスタンチン・ハベンスキー 、ディマ・マルティノフ
評価:★★★☆☆

最近気づいたことは、予告が微妙な映画は、中身も大概微妙なことが多いということです。予告というのは本編で面白そうなシーンをつなぎ合わせているのだから、面白くて当たり前なのです。もちろん予告が面白くても中身が微妙な映画はたくさんあります。しかしその逆はそう多くはないと思います。

だいたい店先や店内が小汚い飲食店が、意外に美味しい!なんてことはまずないのです。汚い=やる気がない=味も悪い。これはごく自然な流れと言えましょう。汚い店に何となく入ることは非常に危険であります。入る店は良く選びましょう。

この映画は、そんな僕の考えを少しだけ改めさせた映画。

世界には古来より人間を超える様々な異能力を持った種族が存在した。彼らは光の種族と闇の種族に分かれ互いに争っていた。1000年前、このままでは共倒れになると考えた彼らの王は休戦協定を結んだ。以後、光の種族は「ナイトウォッチ」として闇の種族を監視、闇の種族は光を監視する「デイウォッチ」をそれぞれ名乗った。そして時は流れ現代。モスクワの若者、アントンは異能力を持つものとして目覚め、ナイトウォッチとして生きる道を選択した。そして彼は光と闇の種族の均衡を破る運命の人間と出会う…。

マトリックスを越えるロシア映画!なんて宣伝をされながらも予告はあんなにショボかったので、きっとダメだろうなぁと思ったら、やっぱりダメな映画だった。予算は少ないしCGはしょぼい。その上話がゴチャゴチャして途中までずっと何が何だか良くわからない。
ただダメだけれど非常に興味深い。アメリカ映画やイギリス映画、フランス映画、邦画などのどんな映画のスタイルとも違うけれど、この映画は確かにある一つの「芯」を持って何かを描こうとしているのがわかる。

あえて例えるとフランス映画に近いかも。冒頭や中盤では映画の設定を具体的に説明することはしないが、後半になればこんがらがった話はきちんと紐解かれていくし、キャラクターの持ち味も徐々に見えてくる。それはどんな映画の表現が趣味なのかは知らないが、監督がきちんとした方向性だけはしっかり持って絵を作っているからだろう。

なので最初は「なんだ、このわけわからん映画」という感想だったが、辛抱強く観ていくと、段々この映画の監督の作りたいと思う物語の方向が見えてきて、クライマックスはなぜか食い入るように観てしまい、エンディングのロシアンロックで盛り上がれる。見てくれの悪い映像表現になぜかすごく感情移入してしまって、作り手を応援したくなる。

また映像以外にも、ロシアの日常風景などが映画の端々で描かれているところも興味深い。立ち並ぶアパート、地下鉄、寒々しい風景。そこかしこからロシアのニオイを感じる。

「光」か「闇」かを選択するところが、共産主義→民主主義という変遷を経て、二つの思想の光と闇を見てきたロシア人らしい発想だし、光と闇のそれぞれに属する両者が、普段顔を合わせる位そばにいるのも面白い。少しも威厳を感じない、しかし女好きだったりゲーム好きだったりとやたらにアクの強い光と闇の王の2人には、ソ連という世界に君臨した「王」たちの姿とも重ね合わせてしまう。

世評では散々だったので(気持ちは良くわかるが)次回作が日本の映画館で公開されるかはわからないけれど、公開されるならぜひ観てみたいと思わせる一品だった。


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蛍光灯サーベルの活躍がもっと見たかった。

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

DEAD LEAVES

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DVD版
監督:今石洋之
声の出演:山口勝平、本田貴子
評価:★★★☆☆

プロダクションI.Gといえば攻殻機動隊というイメージがあるけれど、こんなハチャメチャなアニメも作ってました。キャラクターデザインを手がけているのは今井トゥーンズ。知らん。

顔がテレビの男レトロと、顔に赤い痣と赤い目を持つ女のパンディ。地上で目を覚ました彼らは自分達が何者かという記憶すらなかった。とりあえず車を強奪して警官とドンパチやった彼らは月の監獄へと送られる。しかし曲者の彼らが牢屋でおとなしくしているはずもない。しかし刑務所の看守も只者ではなかった。かくしてレトロ&パンディと刑務所の看守達との合戦の火蓋が切って落とされる。

絵柄でもわかるようにちょっと一癖あるアニメ。
ストーリーは一応あるものの破竹の勢いで話が進んでいくので、正直何だか良く分からなかった。しかし分からなくても全然困らないのがこのアニメの良いところ。爽快感重視のバトルで盛り上げてくれる。

ち○こがドリルとか、セックスとか、普通のアニメにはあんまり見られないような変わった表現が多いが、話の作りは王道。ちゃんと伏線らしいものがあって最後には大ボスが控えている。そこらへんに突っ張っているようで微妙に弾け切れていない不良少年のようなもどかしさを感じる。

とはいえ、最近難しくて何だか良くわからないアニメがあふれる中、とにかく楽しさを追求したような本作は見ていてスカッとするものがある。難しくて頭を悩まされるアニメにモヤモヤしていたら、たまにはこんなアニメもいかが。

( ゚д゚)ハッ! だからプロダクションI.Gなのか…?


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プラズマや液晶のテレビなんて生かしちゃおけねぇ。

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

エミリー・ローズ

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DVD版
監督:スコット・デリクソン
出演:ジェニファー・カーペンター、ローラ・リニー
評価:★★★★☆

よく日本の宗教は元々仏教か多神教だから、キリスト教の悪魔なんか全然怖くないぜ~とおっしゃる方もいますが僕は十分怖いです。普段は神様を信じていないのに、自分が大変な時には「何とかして~」と心の中で祈ってしまうのは何故でしょう。神様を信じるってどういうことなんでしょうね。駅で勧誘してくるアレはちょっと違う気がしますが。

「エミリー・ローズ」は実在の出来事を基にして作られた、法廷もの+ホラーというジャンル分けの難しい映画。敏腕弁護士のエリンは女子学生エミリー・ローズの過失致死罪の罪に問われているムーア神父の弁護を引き受けることになった。彼は病んだエミリーに悪魔祓いの治療を施し、彼女が常用していた薬の服用をやめさせた。その結果、彼女は衰弱による死を迎えた…。
「エミリーは悪魔に取り付かれていた」と主張するムーア神父。最初は信じていなかったエリンだが、人々の証言や彼女の周囲で起こる奇異な出来事によって彼女の心は揺らぐ。果たして悪魔は実在するのか?なぜエミリーは悪魔に取り付かれてしまったのか?

ホラーのジャンルに置かれていたことや、宣伝のイメージから「エクソシスト」みたいな映画かと思ったら結構真面目な映画でビックリ。しかしこの映画、全く怖くはないかというとそうではない。この映画、怖いのは悪魔ではなくエミリー・ローズ演じる新人女優ジェニファー・カーペンターが怖い。顔のメイクのせいもあるが病気に陥ってからというもの、顔つきがそれこそ悪魔のようで、何もしていなくても普通に怖い。しかもその顔でイナバウアーをしっかり決めてきたりするので侮れない。恋人があんな怖い顔になっても決して見捨てなかった彼氏は間違いなくいい男だ。

映画の大部分は法廷が舞台で、映画は神父の話や証言者の話を元に回想あるいは想像?という形でエミリーの様子が語られていく。証言者の話を追えばエミリーは悪魔に憑かれたようでもあるし、検察の追及を聴けば、なるほど筋が通っていると思う。実際、この映画では悪魔の実在を認めるか認めないかという結論は出さず、観客に「あなたはこの事件についてどう思う?」と疑問を投げかける形で締めくくっている。

科学的捜査もプロファイリングも完璧ではない。事実は一つであるとしても、神ならぬ人間には、それを完全に知る術はない。あるがままの全ての材料を見て、然るべき最善の判断を下す。それが人間の出来る全てだ。そういった意味で、この映画の結末はいいポイントで上手に落としどころをつけていると思う。

夜中の3時は悪魔が活動する時間。良い子のみんなは憶えておこう。


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ちょっとグウェン・ステファニーに似てるかも?

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

M::3(ミッション・インポッシブル3)

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名古屋109シネマズ
監督:J・J(ジェフリー・ジェイコブ)・エイブラムス
出演:トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン
評価:★★★★☆

話題のM:I:3見てきました。ちょうどコリン・ファレルとジェイミー・フォックスの主演する「マイアミ・ガイズ」のリメイクの予告編がやっていました。予告の出来だと微妙な感じです。なぜか使われていた曲がリンキンパークのNumbでした。「サハラ」の予告でもフーファイのall my lifeが使われていたし、そういう過去の名曲を予告に使う風潮があるのでしょうか。しかしサハラは結構面白かった。うん。

秘密組織IMFから半引退し、教官の地位に就いていたイーサン・ハント(トム・クルーズ)は愛する女性ジュリアとの結婚を決意する。しかしそんな普通の生活を送ろうとする彼の元に新たな指令が下る。指令の内容は武器商人ディヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)に囚われたイーサンの元教え子リンジーの救出だった。彼の正体を知らないジュリアには真実を告げず、ミッションへ向かうイーサン。しかし事態はイーサンの予想を超えて展開していく事になる…。

ミッション・インポッシブルに関してはこの前地上波でやっていた、ジョン・ウー監督の「2」を見た程度の知識しかありませんでした。もちろん元ネタのスパイ大作戦も全くの未見。
しかし2を見た限りでは、細かい筋書きよりも、アクションとトム・クルーズの魅力をふんだんに味わうための娯楽大作という印象だったので観る姿勢にぬかりはありませんでした。

冒頭から緊迫した空気で一気に話に引き込まれます。
結婚という人並みな幸福を欲するイーサン、しかし彼の職業には並々ならぬ危険がついて回る。工作員として生きる彼には人並みの幸せをつかむことなど不可能なのだろうか?
イーサンの前に立ちはだかる武器商人ディヴィアン演じるフィリップ・シーモア・ホフマンもタフで残忍な悪役を憎憎しげに演じている。イーサンの脅迫にも全く動じず、逆に脅しつける様は悪漢、いや圧巻。冒頭のシーンには恐怖すら憶える。

話の大筋はしっかりしており、また仲間の活躍や中盤の大掛かりな襲撃シーンなど娯楽的要素も満載。女性工作員のマギー・Qなどはアクションのみならずスタイルの良さも活かしてかなり見せ場が多い。
アクションでは特に中盤の橋の上での敵側の襲撃シーンはすごい。トム・クルーズの背後からゆっくりと現れる兵隊の姿。やっぱり娯楽映画はこうでなくてはいけない。細かな理屈よりも迫力で勝負してこそ娯楽。これは映画館の大スクリーンでないと味わえない興奮だ。

終盤は話のスケールがやや小さくなり、少し尻すぼみした感があるにせよ、最後まで話の焦点がぶれることがなかったのが良かったと思う。全体を通して十分以上に楽しむことが出来た。

しかしやっぱりトム・クルーズはヒーロー演じてるほうが似合う。
ローレンス・フィッシュバーンはやはりマトリックスのせいで説教臭い役柄というイメージで選ばれているのだろうか…。


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本作がトム・クルーズにとってラストミッションとなるかも…?

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

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DVD版
監督:ジェームズ・マンゴールド 
出演:ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン
評価:★★★★☆

世の中にダメ男選手権というものがあれば、日本一とは言わないまでも県大会ベスト8ぐらいまで食い込めるのではないかと思う僕です。そんな自分だからこそ身につまされるものを感じるこの映画。

伝説のミュージシャン、ジョニー・キャッシュの半生を描いたドラマ。貧しい少年時代、親しくしていた兄の死、父親との確執、成功と没落。そして愛する女性ジューン・カーターとの恋愛模様。

薬物中毒におちいった過去があり、実際に兄リバー・フェニックスを亡くしているホアキン・フェニックスがジョニー・キャッシュを演じているところに重みを感じる。一つ一つ演技の裏で彼は何を想っていたのだろうか。それは彼のみぞ知ることだが、観ている側としては色々想像してしまう。

彼の演じるジョニー・キャッシュは音楽の才能あれど、これがまたダメな男で、奥さん放ってジューン・カーターに入れ込むところや、父親への反発で子供じみた真似をするところなど非常に痛々しい。
十分に社会的成功を収めた彼がなぜ現状で満足しないのか?それは人間が決して満足をしない生き物だからということもあるけれど、自分のためにしか生きられない、彼という孤独な人間の性でもあると思う。

しかしそれにしてもジューン・カーターは素晴らしい女性だ。顔はウィレム・デフォーみたいだが、確固とした自分の世界があり、彼女に敵愾心を抱く保守的な人々の敵意にも負けず、周囲に対する思いやりに満ちている。そりゃジョニーのようなダメ男にしてみれば惹かれるのもわかる。よ~くわかる。

しかしジョニーのダメっぷりが上手に表現されているだけに、最後の締め方が個人的に納得いかない。ジューンとのゴールはジョニーが成長したときにこそ、果たされるべきものだと想うのだが…ああいう自分本位のやり方は成長してるとは言えないのではなかろうか。ロマンチックではあると思うのだが。
ジューン・カーターへの求婚は実際にああいう風だったのだろうか?だとすると人間というものは本質的には変わらない、という事なのかもしれない。

ジョニー・キャッシュの音楽を実際に聴いたことはないけれど
映画を見る限り、とても心地よい音楽だった。
機会があればぜひとも聴いてみたい。

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一人でまっすぐ歩くことなんて、出来やしない。

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

CUBE2 HYPER CUBE

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DVD版
監督:アンドレイ・セクラ
出演:ケリー・マチェット, ジェラント・ウィン・デイビス
評価:★★★☆☆

評判の良くない映画を見るときは、最初からある程度諦めて見るので
その映画の良い点に注目するようになって楽しめるようになることがあります。
逆に、周囲の評判の良い映画だと、鑑賞した時に自分の描いたイメージと現実のギャップを感じてしまって、実際の映画の出来に比べてあまり楽しめないということもあります。

しかし良いものは良く、良くないものは良くないとハッキリ自分の中で判断する基準がどこかに存在すると思います。そういった心の基準が、個々のアイデンティティをあらわしているのではないかと思います。そういえば「アイデンティティー」は面白い映画でした。

立方体の部屋が延々と続く世界「キューブ」。扉を開けて進んでもまた全く同じ形の部屋が繰り返し現れる。突然そこに放り込まれた犠牲者達は、キューブを脱出するために試行錯誤を繰り返す。しかしキューブに仕掛けられた罠が、予想もつかないトラップで犠牲者達の命を狙う。

このキューブという存在に対して、多くの観客はこの存在そのものに対して強い興味を憶えると思う。この箱は何なのか、誰が作ったのか、何故彼らが閉じ込められたのか、外の世界はどうなっているのかetc...
ちなみに僕はあのキューブの世界の扉を見るにつけ、あれでうっかり手をはさんだりしないのだろうかと心配になる。

1では、キューブという世界を土台にして、閉じ込められた人々の心理描写などを描くことに重きを置いているのに対し、2ではキューブそのものに対して色彩を施している。
キューブの影に見え隠れする兵器会社の名前、閉じ込められた人々の共通点、隠された秘密。そして前作以上に不可思議な仕掛けを持つキューブ。こういった色付けはキューブという存在に対して、多くの人が抱いた想像の一つを素直に映像化している。そういう意味では本作の監督は、至極普遍的な感性を持っていると思う。

不満があるとすれば、狂気がない。偏りがない。愉快なお化け屋敷ではあるが地獄ではない。中盤の平行世界であることがハッキリわかる演出にはゾクゾクしたけれども、そこが一番のピークだった。あそこから平行世界や時間という新たな仕掛けを追求するなり、脚本の技巧に走るなりして欲しかった。
最後で「謎の組織」を見せることで雰囲気を作って終わってしまうところに、監督のこの映画へのこだわりの限界を見たように思えた。

キューブという素材の味は殺していないので、つまらないとは思わない。
でも記憶に残るほど面白いわけでもない。良い子悪い子普通の子で言えば、間違いなく普通の子。凡作という意味で★3つ。


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いっその事パントマイムでキューブを表現してみるのはどうか

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

スターシップ・トゥルーパーズ

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DVD版
監督:ポール・バーホーベン
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤー
評価:★★★★☆

あの傑作「ロボコップ」を描いたポール・バーホーベン。しかしそのロボコップに匹敵する怪物映画がここに存在した。

近未来。宇宙に進出するほどの科学力を備えた人間だが、宇宙には恐ろしい危険が待ち受けていた。昆虫型のエイリアン“バグス”。宇宙の惑星では人間とバグスとの間で激しい戦いが繰り広げられていた。高校を卒業したジョニー・リコは恋人のカルメンと同じ道を行きたいがために軍隊に志願する。厳しい訓練を経て戦場へ向かうが、新たな敵「アラクニッド」は想像以上に恐るべき敵だった…。

子供向けの宇宙船映画ようなタイトルのくせに、中身はモロに戦場を駆ける男の立身出世映画。単に敵が人間ではなく昆虫だというだけである。これが人間相手だと「ああ、殺される側にも家族がいるんだろうなぁ、痛ましいなぁ」と思うものだが、相手がオケラだかカマキリだかわからない薄気味悪い化け物とあらば道徳心や倫理観も不要というものだ。存分に主人公の立場になり切って、戦場のスリルを味わえる。

戦闘がこれまた凄い。3メートルぐらいある昆虫が人間の体をズバンズバンと大根のように八つ裂きにする。マシンガンを撃ちまくってもゴキブリのような強靭な生命力を持っているのでなかなか死んでくれない。そんな化物が群れをなして襲ってくる様は恐怖としか言いようがない。
なんでそんなに科学が発達しているのに歩兵で怪物と戦うのか、というのは言ってはいけないお約束だ。

主人公のジョニーは、ハイスクールでは純朴で気が短くてスポーツができるだけの、紋切り型とも言える典型的な生徒だが、これが軍隊に入るとメキメキ変わる。尻の軽い恋人にフラれ、取り返しのつかないミスを犯し、多くの戦友を失うという主人公成長フラグを乗り越えると、いつの間にやらすっかり戦士の顔をしている。前半と後半のギャップがすごい。

一般人が軍隊入ってたくさんの戦友の死を乗り越えて気色の悪い虫どもをブチ殺し、戦場の英雄になるこの映画。

娯楽映画と言うにはグロすぎる。
風刺映画と言うには爽快すぎる。
バカ映画と言うには熱すぎる。

監督はこの映画で「戦争の愚かさを描いた」といっているらしいが、どうもこの映画の楽しげな軍隊生活の様子や、次から次へと出てくる新型昆虫怪獣を見ると、監督も楽しんで作っていたとしか思えない。
軍隊では男も女も平等だから、シャワーも一緒に浴びるのが当たり前、などというムチャな設定も楽しんでやっていたとしか思えない。

結局、合間に入る軍隊のCMめかした演出はポーズであって、熱い集団で盛り上がって恐怖の敵を打ち倒すカタルシスと、死体ゴロゴロ虫ウジャウジャという悪趣味な絵が監督のやりたかった事ではなかろうか。
宮崎駿が戦争嫌いと言いつつも、兵器やら戦争やらグロい虫やら好き好んで描くように。

最後に出てきたボスの虫はグロすぎて夢に出るだろうなぁと思った。
もちろん夢に出た。

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俺の名はジョニー。王蟲の群れだって吹き飛ばして見せるぜ。

theme : 映画★★★★★レビュー
genre : 映画

アモーレス・ペロス

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DVD版
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:エミリオ・エチェバリア、ガエル・ガルシア・ベルナル
評価:★★★☆☆

メキシコのタランティーノというパッケージの宣伝文句に惹かれて借りてきました。しかしタランティーノよりはずっと濃ゆいという印象。
人間模様をシニカルとユーモアで描くのがタランティーノなら、この監督は人生への慟哭、そして受容を描いているといった印象です。

粗暴な旦那に苦しめられる兄嫁に恋する若者。妻と別れてまで愛する女と一緒になった壮年の男。妻と娘を捨てて反政府活動に身を投じた過去のある、浮浪者同然の身分となった殺し屋の老人。バラバラな人生を送る3人の物語をつないだのは一つの交通事故だった。

この映画は3人の物語を別々に語る形となっている。それぞれに共通しているのは3つの物語のそれぞれの登場人物が、皆「愛」についてのドラマを演じていること。

1話目の若者オクタビオは感情のおもむくままに兄嫁に恋心を抱き、大金を稼ぐために闘犬に手を出し、2人で町を出る計画を立てる。
若者独特の無鉄砲さ、純粋さ、そして他人を思いやれる程のゆとりのなさが、痛々しくも切ない。

2話目の夫婦は順風満帆で愛情に満ちていたはずの夫婦が、妻の交通事故による大怪我によって、2人の間に徐々に暗い影が差し始める。
そんな暗い状況の中、小さな感情の齟齬がやがて大きくなっていき、愛情の消失されていく様がありありと感じられる。

3話目は殺し屋である老人が犬と暮らすことで自分を慰めつつも、捨てた家族を忘れられず、自分を知らない娘の元に通い続ける。
娘に未練を持ったまま、人生の行き場を失った男。だが交通事故によって傷付いた犬を介抱したところから彼の人生が動き始める…。

ただ突っ走っても、また快調に歩いているようでも、どうにもならない運命の落とし穴というものはあると思う。そんな人生のどうしようもなさをこの映画の前半で感じることが出来る。そして後半ではそういったどうしようもない人生だけど、運命のキッカケによってまた未来へ歩き出すことが出来る、という監督からのメッセージではないかと思った。

3篇に共通して出てくる「犬」という存在。
犬は往々にして人の心を埋めてくれる。
彼らと共に歩んだり、また失うことで人は愛情の存在を実感することもある。
犬をキッカケにして人生が流転していく様は不思議と納得がいく。

この監督はきっと情に厚いタイプなんだろうなぁ。
ただ惜しむらくはさすがに3篇の熱い物語を3時間弱という長い時間でで見るのは、ちょっと重くて息切れがした。
3つの話が入り組んでいる時もあるので、それぞれを意識の隅で追ってる部分があったりして、一つ一つの話に没頭し切れなかったのが残念。

男性俳優陣にイイ男や渋いおっちゃんが揃ってる気がする。


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運命は残酷だけど、それでも人生は続いていく。

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genre : 映画

ロストチルドレン

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DVD版
監督:ジャン・ピエール・ジュネ
出演:ロン・パールマン,ジュディット・ビッテ
評価:★★★☆☆

「ロスト・チルドレン」は「アメリ」「ロング・エンゲージメント」で有名なジャン・ピエール・ジュネが監督した、どこか遠い別の世界の物語です。

廃墟のような薄汚れた奇怪な世界。そこで怪力を見世物として生活していた大男ワンはある夜、突然現れた半盲の一族「一つ目族」に大切な弟をさらわれてしまう。純粋なワンは懸命に弟を探し続ける。そんなワンの姿に惹かれて、ワンと共に弟を探すことに協力する少女ミエット。様々なトラブルに会いながら奇怪な町を巡る二人だが、弟がさらわれた
原因は一つ目族の背後にいる謎のクローン一族だった…。

何とも不思議な映画でした。ロストチルドレンの世界は近代ヨーロッパの下町のような情景をベースにジャン・ピエール・ジュネ監督の独特の世界観が反映されています。
廃墟の中で盗賊の使いっぱしりとして働く子供たち、片足を共有している2人で一人の老婆。人間を操る毒を注入するノミを自在に扱う元サーカス団長、しゃべる脳ミソ人間…などなど登場人物からして監督の一風変わった世界が感じられます。
観ている側は心優しい大男と、その純粋な心に惹かれる少女の2人の姿を追いながら、この不思議な映画の世界そのものを体験することができます。

ちょっとグロテスクとも感じられる映画全体の雰囲気には好き嫌いがハッキリと別れると思います。僕的にはこの気だるさと少し狂った感じの雰囲気は好きです。
この映画を見ながらヨーロッパの児童文学を読んでいるようなノスタルジックな感覚を覚えました。そういえば「モモ」「はてしない物語」のミヒャエル・エンデの世界にも通じるものがある気がします。

「ロング・エンゲージメント」もそうでしたが、物語の導入部から映画の世界を噛み砕いて説明することなく、サクサク話を進めていってしまう作風は相変わらず。ただ映画を見続けていくと、その作風自体に愛着が湧いてくるものがあります。

ミエット役のジュディット・ビッテがまた魅力的。少女でありながら成熟した女のような雰囲気を所々に見せるアンバランスさは絶妙。13、4歳かと思いきや撮影当時9歳。ジュディット…恐ろしい子!


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ジュネ監督の世界で生まれた「美女と野獣」

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ちゃど

Author:ちゃど
ちゃど。結婚しました。
ゲームと映画が大好きです。
好きな映画は「ファイト・クラブ」
好きなアーティストは「Foo Fighters」
心のゲームは「クロノトリガー」「バーチャロン・オラトリオタングラム」

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